子供の皮膚は大人と比べて薄く、皮膚に含まれる水分は大人より多いことが分かっています。また、生後6ヶ月頃まで活発な皮脂の分泌は思春期にかけて少なくなります。
このように皮膚が薄く、皮脂の分泌量が少ないということは、子供の皮膚が大人に比べてデリケートだということ。すなわち刺激物が皮膚に与えるスピードも早く、薬を使った場合の吸収も早いことが大きな特徴です。
また、中国漢方(中医学)では"皮膚は内臓の鏡"と考え、子供のデリケートな皮膚は主に内臓の未発育によるものと考えます。さらに胃腸の働きが弱く、皮膚も緻密でないことが子供の特徴であり、よく食べ、よく寝る子供は皮膚の抵抗力も強くなります。
子供によくみられる皮膚病は、主に親からの体質の遺伝、体の抵抗力の低下、更には誤った育児法などが原因で発病するものと考えられます。
例えば、アレルギー性のものとしては湿疹、アトピー性皮膚炎、オムツかぶれ、蕁麻疹、虫さされなど。免疫機能の乱れによるSLE、限局性強皮症。感染性の疾患としては、伝染性濃痂疹、ウィルス感染症、カンジタ、白癬、癜風などがあり、体の本来もつ抵抗力の低下と深く関わってきます。
中国漢方(中医学)では、抵抗力のことを"正気"、ウィルス、細菌のような有害物を"邪気"とよび、病気を起こすかどうかは正気と邪気とのたたかいによって決まるとされています。その結果、正気(抵抗力)が強ければ邪気(ウィルスなど)を抑え発病しませんが、抵抗力が弱くなったり、邪気が強ければ病気になってしまいます。そのため中国漢方では日常生活において十分に栄養を摂るほか、正気を高めるための生薬を組み合わせて処方し、体の弱い子供の抵抗力を強くします。
また、親からの遺伝が原因である場合は内分泌・免疫・神経などのシステムを司る"腎"と消化器・造血系などを司る"脾"のバランスを整えたり強くしたりして体質の改善をはかります。
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