「増悪(悪くなったり)、寛解(良くなったり)を繰り返す、そう痒(痒み)のある湿疹を主症状とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と日本皮膚科学会においてアトピー性皮膚炎が定義されています。アトピー性素因とはアレルギーを起こしやすい体質を指します。
[1] 家族歴、既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎など)
[2] IgE抗体を産生しやすい体質の人。
アトピー性皮膚炎の患者数は、過去数十年、増加の一途をたどっています。厚生労働省の調査によれば、38.4万人(平成17年10月)に至っています。従来、患者の約8割は5歳までの幼児期に発症し、学童期に自然治癒すると考えられていましたが、最近は成人まで持ち越す例や成人してからの発症・再発の例が近年増加しています。原因としては生活環境、食生活の乱れなどが上げられています。
アトピー素因を持つ人では、免疫機能の異常が原因と考えられます。しかし、アレルギー素因を持たない人でも、アトピー性皮膚炎を発症することもあります。それは、皮膚機能の異常であり、アトピー性皮膚炎の患者の多くは、乾燥しややすい肌質(乾燥肌)のため皮膚の機能が低下して、異物(アレルゲン)が侵入すやい状態になっていると考えられます。
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