肌はカラダの一部にすぎません。中医学では、人体の中心は「五臓」ですが、血脈や経絡を通じることで一つの完全体になるという見方をします。そのため、臓腑の栄養状態と機能は、老化の進行や肌の状態に影響を与えます。アトピー性皮膚炎の原因は中医学の観点から主に飲食(脾胃に関係)やストレス、過労、天候と環境の異常などにあると考えられています。中医学での治療は、このうち、飲食・食事の不摂生に特に重点を置いています。
湿とは、体に蓄積された余分な水分のことです。日本は本来島国であり、環境からも日本人は湿が溜まりやすい体質にあります。さらに、最近の食生活の乱れから湿が生まれやすくなっています。湿が生まれやすい食べ物としては、生物、冷たいもの、水分の摂り過ぎがあげられます。湿の発生の多くは、「脾」の機能の低下が考えられます。脾の機能(消化・吸収の機能)が元々低下している場合、「湿」は形成されやすいですが、さらに「湿」により脾の機能が低下するといった悪循環が生まれます。カラダに「湿」が形成されると、皮膚はジュクジュクした状態になります。体全体で見ると体が重だるかったり、便の状態が悪くなったりします。「湿」以外に「風」「熱」「燥」などの病因が見られることもあります。アトピー性皮膚炎に最も影響を与える「湿」を食事や漢方などで取り除くことも出来ますが、個人の体質、生活習慣をよく伺い検討して湿の発生を抑えることが重要な要素となってきます。
近年の病気で原因が分かっていて治療できているものはほんの1割前後だそうです。アトピー性皮膚炎を含めほとんどの病気が症状を抑える治療であり、日常の生活の質を保つためには効果があります。中医学では、生体は陰と陽という対称的なものに分けられることが出来、この陰陽のバランスが整っていると病気にはならないと考えられています。漢方薬により自然治癒力を高め、アトピー性皮膚炎の根本的な改善を目指します。
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