生後3ヶ月までにほとんどの赤ちゃんに乳児湿疹がみられます。しかし、多くは脂漏性湿疹であり、ここで慌てる必要はありません。ストロイドは塗らなくても大丈夫であり、適切なスキンケアで必ず良くなります。また、幼児期に入ると、肘や膝の内側にかぶれいわばあせものような症状が見られることがあります。これらの部分は元々粘膜が薄く弱い場所で、伸ばしていることより曲げていることのほうが多く汗がこもってしまうことがかぶれの原因なのです。汗の成分には尿素があり、肌に長時間残っていると酸化して尿酸に変わるためかぶれてしまうのです。この場合、適切なスキンケアで改善します。
アトピー性皮膚炎の場合は少なくとも4ヶ月を過ぎた辺りからみられるものです。赤ちゃんの胃腸は未発達な状態にあるため、上手く消化吸収が出来ません。免疫力も未発達な状態にあり、少しの刺激でも過敏に反応してしまうため、食物をアレルゲンとしてとらえやすくなっていると考えられます。ただし、成長とともに胃腸の機能は整っていき、免疫力も高まるため一定期間除去していれば改善される場合があります。以前のアトピー性皮膚炎は、思春期までの湿疹は多くの場合、自然寛解していました。しかし、最近は、ステロイドの使用や、不適切なスキンケア、食事の不摂生などによって症状が長引き、成人になっても改善しなかったり、悪化したりすることが多くなっています。
アトピー性皮膚炎に限らず、小児では食事が最も影響を与えると考えられるため、食事の量、バランスなどについて見つめ直すといいでしょう。また、乳幼児期では卵、牛乳がアレルゲンとなりやすく、思春期以降では穀物(小麦、そば)、甲殻類(エビ、かに)、果実などがなりやすいです。皮膚のトラブルが見られたら、早いうちに原因である食物をつきとめ、その食物を控えた食事を心がければ、やがて胃腸の機能が整い、安全に食べられるようになることが多いです。成長とともに良くなるので、あまり手をかけすぎずに生活環境を整え、食事に気を配る程度にして下さい。
■家の中はこまめに掃除し、ダニやハウスダスト、カビなどを寄せ付けないようにしましょう。
■衣類は肌に刺激の少ないものにしましょう。通気性がよく、吸湿性に優れた木綿素材を選ぶようにして、糸やゴムなどが刺激になることもあるので注意しましょう。洗剤も刺激の少ないものを使用し、すすぎはしっかりと行いましょう。漂白剤、柔軟剤は使わない方がいいでしょう。
■汗をかきやすいので体の汚れを落として清潔に保ちましょう。ただし、汚れていない場合に毎日毎日石鹸を使う必要はありません。石鹸を使うと皮脂膜が流れてしまい、乾燥の原因となるので注意してください。温度はぬるめにして決してこすらないようにしましょう。
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