皮膚は、ヒトの全身をくまなく覆う臓器であり、表皮、真皮、皮下脂肪組織の3層からなります。皮膚の厚さは、皮下脂肪組織を除いて 1.0mm~1.4mmです。表皮は皮膚の最も外側にあり厚さは約0.1mm以下です。角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4つに分かれていて、基底細胞が顆粒層細胞まで移行するのに約14日。その後、角質層になり表皮から剥がれ落ちるのに約14日、あわせて28 日のサイクルで表皮は生まれ変わります。これをターンオーバーと呼びます。
アトピー性皮膚炎の方の場合、痒みによる掻き壊しが多いため、皮膚が生まれ変わるサイクルが短くなりがちです。そうして出来た角層は薄くバリア機能の弱いものになっているため外からの刺激を感知しやすくなり、余計痒くなります。そこでまた掻き壊してしまうためサイクルがさらに短くなり不完全な角層が生じるといった悪循環をとるようになるのです。角層がしっかりと準備されて基底層から角層にまで分化していけば、厚みのあるキメの整った角層が形成され、掻いても皮膚がボロボロになったり、傷になることも少なくなります。皮膚の本来の生理機能を高め、保湿を行い、痒みを和らげたりしていくことで皮膚の角化が十分な時間をかけて行われるようにしていきましょう。赤くジュクジュクしていてもカサカサしていても必ず皮膚は生まれ変わります。
午後10時~午前2時。一日のうちでこの4時間が、最もターンオーバーが活発になるといわれています。この時間に化粧をしていたり、食事や運動などにエネルギーを使っていたり喫煙、飲酒などを行っているとターンオーバーが正常に行われません。この時間帯に合わせて睡眠をとるような生活のリズムが素肌にとってもっとも良いということになります。
角質層に不要な油分や汚れをしっかりと落とし、菌の状態を正常に保ち、角質層に必要な水分をたっぷり補給し乾燥を防ぐことが大切です。
表皮が紫外線に当たって傷めつけられると、細胞は早くこれを治そうとしてターンオーバーの周期は早くなります。周期は早くなると正常な細胞が生まれず、本来ならアカとなるはずのメラニンが表皮に残って(沈着)しまいます。紫外線に当たるとシミやソバカスなどができてしまうのはこのためです。紫外線がもっとも強くなるのは午前10時~午後3時の時間帯 、春先から夏にかけて(一番強いのは6月下旬ごろ) といわれています。
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