皮膚の表面では、皮脂と汗腺から出る汗(水分)が混ざって皮脂膜を作り、外部からの刺激を防ぐバリアの役割をしています。体内から生じるものであり、いわば「天然のクリーム」を作ることで肌を守ろうとしているのです。皮脂には脂肪酸(トリグリセリド、遊離脂肪酸、ジグリセリドなど)と、汗の中の乳酸やアミノ酸が含まれることから、健康な肌の皮脂膜はpH4.5~6.0の弱酸性に保たれています。また、肌のpHを一定に保とうとするアルカリ中和能という働きがあり、アルカリ性の石鹸で洗っても、肌が健康ならこれらの酸性物質がすぐにアルカリ分の中和を始めるので、洗顔後15分~2時間位で肌のpHは弱酸性に戻ります。
外部の細菌やカビは酸に弱いため弱酸性下の肌ではこれらが増えにくくなっています。つまり、弱酸性を保つことが難しくなると外部からの影響を受けやすくなってしまうのです。弱酸性を保つためには皮脂膜が大切ですが、皮脂や汗の分泌が上手く行われないと、皮脂膜が出来ません。出来るだけ弱酸性に保てる石鹸を用いて皮脂腺の汚れを除き、汗はこまめに拭くように心がけ、皮脂膜を作りやすい環境に肌を整えましょう。ただし、こすらないように注意しましょう。皮脂膜の代わりとなるような保護クリームを使用してもいいでしょう。
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