あせもは、夏場の高温多湿など汗をかき易い季節などによくみられます。汗が出る部分(汗腺)を多量の汗やほこり、垢などによりふさがれてしまうことによって、皮膚の中に汗が溜まり炎症を起こしていることが原因と言われています。また、汗をかくことから皮膚の表面に存在する表皮ブドウ球菌が増殖してしまうことも関与していると言われています。また、汗はしばらくするとアンモニアと同様の成分に変わり肌に刺激を与えかぶれてしまいます。
白いあせもの場合は、かゆみや痛みを伴うことは少なく通常は2~3日で治ります。赤いあせもは、かゆみが強く無意識にかきむしってしまうことがあります。かきむしることで肌や汗の出口部分の皮膚が壊れ、表皮に存在している黄色ブドウ球菌が増え、化膿してしまうこともあります。また、黄色ブドウ球菌が汗の導管を下って真皮深層で増殖し、膿がたまって大きなおできが生じる多発性汗腺膿瘍(「あせものより」とも呼ばれます。)に発展することもあります。頭や顔にできやすく、強い痛みや熱をともなうこともあります。あせもができてから数日の間に悪化し、いったんできると多くの場合は次々とあちこちにできてしまいます。とくに夏は高温多湿でたくさん汗をかくうえに、細菌が繁殖し悪化しやすく、体温調節の未熟な2歳以下の乳幼児に多くみられます。また、アトピー性皮膚炎がある子供に合併しやすいといわれています。ひどくなると切開して膿をださなければいけなくなるほか、放っておくとその部分だけ髪の毛が生えなくなったり跡が残ったりすることがありますので、早めに受診することをおすすめします。
汗を外に排出できるように皮膚表面の汚れを除き、表皮に増えてしまった黄色ブドウ球菌を減らし、表皮の環境を清潔に保つことが必要です。汗をかいたらこまめに拭き、肌着は通気性に優れ、吸水性をもつ綿(コットン)のものを使用するようにしましょう。また、帰宅後は、お風呂、シャワーなどを浴びて汚れを取り除くようにします。入浴後は乾燥を防ぐため肌にたっぷりと水分を補いましょう。
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