日本は、春夏秋冬という四季の彩りに恵まれています。しかし、四季の気候変化は、それぞれの特有の自然条件を持ち、人体の生理機能にも、直接、間接的に影響を与えます。そのため、日常の飲食においても、四季の条件を考慮していく必要があります。
春の自然条件は"風"であり、「風邪(ふうじゃ)」が発生しやすくなります。風邪は、主に身体の上部を侵し、頭痛、くしゃみ、咳、鼻づまりなどの症状が特徴ですが、こうした風邪に対しては、生姜、葱、紫蘇、菊花など、発散の作用のある食物を食べるようにします。
梅雨期の自然条件は"湿"であり、湿邪による病が発生しやすくなります。湿邪は陰性で脾を犯しやすく、食欲不振、消化不良、下痢、胃が重苦しい、浮腫などの症状が特徴です。湿邪に対しては水分の代謝をよくすることが原則ですから、サツマイモ、やまいも、冬瓜、ハトムギ、トウモロコシの花柱、小豆など利水効果のある食物をとるようにします。また、カラダを冷やすと余計湿邪が溜まるので、注意しましょう。
夏の自然条件は"暑"であり、暑邪による病が発生しやすくなります。暑邪は、多汗、口渇などの熱症状とともに、四肢倦怠、食欲不振、下痢などの湿症状が特徴です。暑邪に対しては、スイカ、梨、野菜のしぼり汁、緑豆など、発熱や口渇に効用のある食物が適しています。冷たいものや、生物の摂り過ぎは避けたほうがいいでしょう。
秋の自然条件は、"燥"であり、口、鼻、咽喉の乾燥、口や皮膚のかさつきなど、燥邪による症状が多くなります。燥邪に対しては潤すことが原則ですから、アンズの仁(杏仁)、水分不足を補う梨、柑橘類の汁、白きくらげなどが適しています。
冬の自然条件は"寒"であり、寒邪による病が発生しやすくなります。寒邪は、肌を守る陽気を傷つけ、悪寒、発熱、頭痛、手足の冷え、下痢、さらに吐き気、腹痛などの症状を伴うこともあります。寒邪に対しては温めることが原則ですから、生姜、茴香、肉桂などを用いて、加熱処理の調理をすると効果があります。ただし、カラダが虚弱の人は摂りすぎには注意してください。
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