腸にはヒトの免疫細胞全体の70%が集中していると言われています。腸管に宿便が生じると、宿便から未知のアレルゲンが産生され免疫細胞が異常に亢進してしまい、アレルギー反応が起こっているとの考えもあります。宿便を生じないような食事の摂り方、バランスが大切となってきます。
便は、食べた分だけ腸管から押し出されることはありません。食物は胃腸でしっかりと消化、吸収されて便となり排泄されます。しかし、胃腸に負担がかかるとスムーズに処理されずに便は腸管に溜まる一方です。高速道路で考えると分かり易いです。高速道路(胃腸)の車(食物)が一定量であれば、渋滞することなくスムーズに流れています。車の量が増えればその分渋滞する確立は上がります。また、料金所を胃腸の一部分とすると、一台の車が料金所で時間がかかってしまう(一つの食物が消化されるのに時間がかかる)と渋滞する可能性があります。つまり、食事の量は胃腸に負担がかからないような腹七分程度にし、偏りがないようにバランスを考えて摂ることが大切です。またストレスや睡眠不足、運動も排泄には関係しているため食事以外にも注意が必要となります。
胃腸は中医学では「脾胃」に相当します。便の状態を確認することで胃腸にどの程度負担がかかっているかを知る目安になります。便の状態以外にも「脾胃」に負担がかかるとお腹がはったり、疲れやすくなったり、食後に眠くなったりします。漢方薬の中には体に不足している「気」や「血」などを補う薬もあります。補う効果もあるのですが、胃腸に負担をかけることもあるので注意しなければなりません。中医学では、「脾胃」の働きは重要です。
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