リノール酸は植物油(大豆油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、ゴマ油など)、バター、チーズ、卵、肉の脂身に多く含まれ、成長や皮膚を正常に保つ働きがあります。ヒトの体内では作ることが出来ないため食事で摂る必要がありますが、近年では、リノール酸を含む食物の過剰摂取によりアレルギー体質が引き起こされていると言われています。リノール酸は体内でアラキドン酸に変化し、アレルギー反応に関わる肥満細胞に蓄積します。アラキドン酸から生成される物質はアレルギーに関与するため、アレルギー物質(アレルゲン)に過敏に反応してしまうようになり、痒みを引き起こしてしまいます。
リノール酸による良くない反応を抑えてくれるものとしてαリノレン酸があります。EPA(アイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、しそ油(えごま油)、アマニ油、および野菜、海草、魚、貝などに多く含まれています。リノール酸:αリノレン酸=4:1となるようにバランスを考えて摂り入れていくとよいでしょう。αリノレン酸は酸化しやすく、酸化すると過酸化脂質といってアレルギーの原因になってしまうので、時間が経ったものや加熱調理は避け、出来るだけ新鮮なものを摂るようにしましょう。
リノール酸を摂りすぎていた場合は、リノール酸の量を減量または一時的に中止して様子をみましょう。アトピー性皮膚炎の赤みや痒み、黄色い浸出液が出ているような場合は、リノール酸に限らず、全体的な食事のバランスを見直してみることが大切です。
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